ウェブサイト注記 – スペイン新特許法

4月1日、スペイン新特許法(法第24号/2015年7月24日)が施行されました。これは1986年に制定された現行の特許法に取って代わるもので、多くの新たな特徴を取り入れています。そのうちの幾つかを以下では取り上げます。

特許

現行の「通常の付与手続」(審査なし)が廃止され、新規性及び進歩性の審査を含めた特許性の実体審査を伴う、単一の付与手続が定められています。
先行技術調査を準備するための手数料の支払いが特許出願の時点へ繰り上げられます。したがって、先行技術調査は、背景調査の結果及び 審査官の最初の意見の前に行われ、出願人が所有する出願を維持するか、及び/又は優先期間内に外国特許を取得するかを決定するために必要な情報を出願人に提供します。
今後、特許の付与に対する第三者による異議申立手続は付与後に行われます。異議申立の期間は、スペインの知的財産公報(Boletín Oficial de la Propriedad Industrial、BOPI)での特許の付与の公告から6ヵ月です。
「追加特許」の概念も廃止されます。この概念は、1986年の法第11号では、進歩性の要件に従うことを必要とせずに、付与及び発効済みの特許への実施形態又は改良形態の追加を認めていました。新たな法の下ではこの選択肢は存在しません。

実用新案

実用新案の有効な付与に求められる新規性が、特許に求められるものと同じになります(旧法である1986年の法第11号の「国内新規性」とは対照的に絶対的新規性となります)。しかしながら、特許に比べて、求められる進歩性のレベルが低いことは変わりません。
実用新案の保護の範囲が拡大されます。製品又は組成物は、実用新案により保護され得る発明として含まれますが、生物学的材料並びに医薬組成物及び物質に関連する発明は除外されます。プロセスの発明に関する除外は維持されます。
実用新案出願の手続には背景調査も特許性の実体審査も含まれません。しかしながら、実用新案に由来する独占的実施権に関する訴訟の提起を行うには、先行技術調査が予め取得されるか又は請求されなければなりません。これは、特許出願についてスペイン特許商標庁(SPTO)により準備されるものと同じ先行技術調査です。準備された先行技術調査は公開されることになります。

特許及び実用新案についての共通規定

スペインで開発された発明は、強制的にSPTOに出願しなければならないことが定められています。出願人がスペインに居住地、登記上の事務所又は常居所を有している場合、そうではないという証拠が提出されない限り、発明はスペイン領土で開発されたものと想定されることになります。この義務の遵守を怠った場合、その特許はスペイン国内では効力を有しないことになります。
付与済特許の所有者は、前記特許の法的存続期間において随時、クレームの補正により、特許の取消又は減縮をSPTOに自発的に請求することができます。
新法は、クレームが部分的に無効であると宣言することの禁止を解除しています。
特許により与えられる保護の範囲を決定する際の技術的均等物に関して、明確に言及されています。
特許の利用が1年(1986年の法第11号では、この期間は3年でした)より長く中断されている場合に求めることができる強制実施権を付与するプロセスが簡素化されます。当事者が共通の調停人を指名するか、又は各々が専門家を指名することもできます。当事者間に合意がない場合、SPTOが実施権の付与について判断を下します。
自然人とみなされる企業家又は中小企業 (SME)については、以下の年金及び手数料に対して50%の割引が適用されます: 出願料、先行技術調査請求料、実体審査料、並びに3年次、4年次及び5年次年金。
職務発明(雇用関係又は職務上の関係を背景として開発された発明)の場合、並びに公的大学及び公的研究機関の研究スタッフにより開発された発明の場合、従業員と雇用者との間の関係を決める条件がより詳細に規定されています。
訴訟中の当事者が調停又は仲裁を用いる選択肢について、明確に言及されています。紛争の主題が、権原の付与、維持又は有効性のための要件の遵守に関係している場合、この選択肢から、付与手続、異議申立訴訟手続及び控訴に関する事項は除外されます。SPTOには調停及び仲裁機関の役割が割り当てられています。

補充的保護証明

薬品及び植物検疫製品に係る補充的保護証明が、特許法により規制される権原内に明確に含められます。
手続規則
訴訟手続に関連した特許の減縮に関して、新たな手続規則が導入されます。したがって、特許所有者は、特許の有効性を、それが付与された形態及び/又は減縮された形態で防御することができます。
新法は、予防的書簡(preventive letter)をスペインの手続システムに導入しています。したがって、当事者の審問なしに予防措置請求の対象となることが見込まれるいかなる人物でも、予防措置が認められるべきではない理由を説明する予防的書簡を提出することができるようになります。予防的書簡の提出は特許所有者へ通知されます。
新法では、特許訴訟事件を審理する専属管轄権を譲渡された商事裁判所のみが特許訴訟事件を審理する資格があります(新特許裁判所)。
スペイン民事訴訟法は、訴訟に応答するための、その通知より20日の一般期間を設けていますが、新特許法は、特許訴訟についてその期間を2ヵ月へ延長しています。
損害賠償に関して、新法は、特許所有者がその逸失利益と被告の利益との間から選択できることを明示しています。強制的な賠償も侵害行為の停止を確保するために定められています。
新特許法により、特許の有効性が争われた場合、当事者の専門家が互いに矛盾している点について報告書を出すようにスペイン特許商標庁(SPTO)に求めることが可能になります。